【婦人科医に聞く】デリケートゾーンの正しいケア術 ~これだけは知っておきたい基本の「き」~

2025.06.19

デリケートゾーンのかゆみ・乾燥・不快感に悩む40代〜60代女性に向けて、正しいケア方法を医学的観点からやさしく解説します。洗いすぎを避ける理由や、弱酸性ソープの選び方、保湿の重要性、下着素材のポイント、生理用品の選び方まで、忙しい毎日の中でも取り入れやすいセルフケア術を紹介。年齢を重ねるごとに快適に、自分らしく過ごせるヒントが満載の内容です。デリケートゾーンケアの基本を知り、未来の自分にやさしくなれる第一歩を踏み出しましょう。

はじめに

「デリケートゾーンのケア、必要だとは思うけれど何をしたらいいの?」そんな疑問を抱える方は多くいらっしゃいます。

fuwariでは、2025年3月の国際女性デーを記念して、婦人科医の白岩和香苗医師をお招きし、オンラインウェビナーを開催しました。

その中で、ご愛用者様から寄せられた質問のひとつが「フェムケアは何歳までするものでしょうか一生すべきものでしょうか?何から始めたらいいですか?」というもの。

このコラムでは、そんなお悩みに対して、専門家の意見をもとに、自分の身体に寄り添いたい40〜60代のあなたにこそ、医学的に正しく、そして無理なく続けられるケア方法をお伝えします。

🎥 ウェビナーでの詳しい内容は、こちらの動画でご覧いただけます

洗いすぎないことが意外と大切

多くの方が「キレイにしなきゃ」と石鹸でゴシゴシ洗いがちですが、実はそれは逆効果になることもあります。
日本人女性は比較的清潔志向で、お風呂の頻度も高い傾向があります。そのため、洗いすぎずとも清潔が保たれる場合が多いのです。

皮膚は自ら潤いを保つ力を持っていますが、強すぎる洗浄はその保護膜を壊し、かえって乾燥や痒み、赤みを引き起こしかねません。

石鹸選びは“弱酸性”が基本

かゆみやかぶれで受診された方も、洗浄方法や使用石鹸を変えるだけで改善された例が多いそうです。たとえば弱酸性で肌に優しい専用ソープに替えるだけで、「快適になった」という声も聞かれます。
これは膣内を含む外陰部は、pH3.8~4.5の弱酸性であることが自然な状態だからです。通常の石鹸(アルカリ性)はこのバランスを崩しやすいため、特に敏感な方は専用ソープがおすすめ 。

最近は馬油やアミノ酸を配合した保湿系のデリケートゾーン石鹸も増えています。

乾燥させず、適度に保湿を

かゆみの多くの原因は“乾燥”。入浴後に保湿をすることで、乾燥による症状を防ぎやすくなります。動画ではオイル保湿を推奨されていましたが、低刺激で皮膚科医推奨のデリケート専用保湿剤でも構いません。
保湿をしておくと、石鹸で失われた水分が補われ、バリア機能がキープされる効果も期待できます 。

下着は“通気性の良い天然素材”を選ぶ

「化繊より綿がいい」「通気性が大切」とはよく聞くフレーズですが、これは医学的にも納得のポイントです。肌に直接触れるデリケートゾーンは蒸れやすく、化学繊維では熱や湿気がこもりやすくなります。結果、かゆみや細菌・カビ(カンジダなど)の原因になり得ます。

  • 綿やシルクなど吸湿性・通気性が良い素材を選ぶ
  • 締め付けず、ムレないフィット感の下着を
  • 汗をかいたり、おりものが気になるときは、1日に2回以上交換するのもおすすめ 。

生理用品や尿もれパッドにも配慮を

おりものや尿もれパッド、ナプキンも長時間付けっぱなしにするとムレ・かぶれの原因に。
肌に合わない素材や化学添加物が使われているものは、できるだけオーガニック素材・敏感肌対応の製品を選びましょう 。

布ナプキンに切り替える方もいますが、衛生管理に手間がかかりますので、まずは手軽な使い捨てでもオーガニックタイプの製品から選ぶとよいでしょう。

脱毛・ストレス等 日常習慣にも注意

脱毛(VIOなど)は肌に小さな傷が付きやすく、そこから細菌が入り不快感やかゆみの原因に。
また、ストレスやホルモンバランス(更年期など)も症状を悪化させる可能性があるため、適度な運動・質の良い睡眠・バランスの良い食生活で、体全体の健康を整えることが大切です。

まずはセルフケア!その後、受診も視野に

まずは手軽に「セルフケアから試してみる」のはとても有効です。

  • 石鹸を弱酸性タイプに替える
  • 保湿を取り入れる
  • 下着素材や頻度を見直す

この3つを試してみて、それでも症状(かゆみ、乾燥、かぶれなど)が改善しない場合は、医療機関(婦人科・皮膚科など)への受診をおすすめします。

まとめ

ケア項目ケア方法・ポイント
洗浄洗いすぎず、弱酸性ソープでやさしく
保湿入浴後にオイルや専用クリームで
下着綿やシルクで通気性よく、1日交換を推奨
生理用品無添加・オーガニックタイプを選ぶ
日常習慣脱毛頻度・ストレス・睡眠にも配慮

忙しい毎日の中で、「これならできる」と思える小さな工夫が、体にも心にも優しいデリケートゾーンケアにつながります。
まずは「洗浄→保湿→下着」の3ステップを意識して取り入れてみてくださいね。

ほんの少しの心がけが、体と心の軽やかさにつながります。どんな年齢でも、自分にやさしく生きる選択を。fuwariはこれからも、あなたに寄り添い続けます。

※記載内容は医学的な文献・医師監修情報を基に編集していますが、症状に合わせた対処が必要な場合は専門医への相談をおすすめします。