【婦人医に聞く】更年期の乾燥やかゆみは「みんながなる」わけじゃない?〜ホルモンバランスと個人差のお話〜

2025.05.28

更年期に乾燥やかゆみはつきもの?実は感じ方には大きな個人差があります。婦人科医とのウェビナーをもとに、更年期に起こる体の変化と正しいセルフケア方法をやさしく解説。ホルモンバランスの変化と肌の関係、症状が出る人・出ない人の違い、自分に合った対処法まで。安心して更年期を迎えるために、正しい知識と心構えをこのコラムで手に入れましょう。

はじめに

「更年期になると誰でも乾燥やかゆみを感じる」と思っていませんか?実は、その症状には大きな個人差があることをご存じでしょうか。

fuwariでは、2025年3月の国際女性デーを記念して、婦人科医の白岩和香苗医師をお招きし、オンラインウェビナーを開催しました。

その中で、ご愛用者様から寄せられた質問のひとつが「更年期による症状として、ほぼ全員が乾燥やかゆみを感じるものですか?体質によっては、ほとんど症状がない人もいるのでしょうか?」というもの。

今回はその内容をもとに、更年期の身体との向き合い方についてご紹介します。

つらい症状が出ても焦らず、出なくても不安にならないために——。知っておくと安心できる「体の変化」について一緒に学んでいきましょう。

🎥 ウェビナーでの詳しい内容は、こちらの動画でご覧いただけます

更年期とは?

更年期とは、閉経を挟んだ前後約10年間の期間を指し、一般的には40代後半から50代にかけて訪れます。この時期には、女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌が徐々に減少し、それにともなってさまざまな身体的・精神的変化が現れることがあります。

代表的な症状には、ホットフラッシュ(ほてり)、発汗、不眠、イライラ、気分の落ち込み、肩こり、乾燥などがあります。ただし、その症状の種類や強さ、感じ方には個人差があり、「まったく気にならなかった」という方もいれば、「日常生活に支障が出るほどつらかった」という方もいます。

このように、更年期は誰にでも訪れる自然なライフステージであり、自分の心と体に優しく寄り添うことが大切です。

なぜ更年期に乾燥やかゆみを感じやすくなるの?

更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。エストロゲンは、肌の潤いや粘膜の健康を保つ働きを持っており、分泌が減ることで「乾燥」や「かゆみ」といった不快な症状が現れやすくなるのです。

特にデリケートゾーンなど皮膚が薄い部分では、この変化を敏感に感じやすくなります。保湿力の低下や肌バリアの弱まりによって、外的刺激にも過敏になり、かゆみを感じることもあります。

でも「全員」が症状を感じるわけではない?

実際には、更年期に入っても「まったく不調を感じない」という方も少なくありません。症状の出方には大きな個人差があり、その要因としては次のようなものが挙げられます:

  • ホルモンバランスの変化の程度
  • 元々の体質や肌質
  • ストレスや生活習慣

中には50代になっても全く乾燥を感じない方もいれば、40代から症状が強く出る方もいます。ですので、「誰でもなるもの」と決めつけてしまうのではなく、「人それぞれ違うもの」と理解することが大切です。

自分の体とどう向き合えばいい?

更年期の症状が出たからといって「年をとった証拠」と悲観する必要はありません。大切なのは、自分の体の変化に気づき、無理せず、適切に対処することです。

例えば:

  • 毎日のスキンケアやデリケートゾーンの保湿を丁寧に行う
  • ストレスをためない生活習慣を意識する
  • 症状がつらい時は婦人科や専門医に相談する

周囲と比べず、「私にとっての快適さ」を目指してケアを続けていくことが、健やかな毎日につながります。

まとめ

更年期の乾燥やかゆみは、「全員に起きるもの」と決めつけるのではなく、自分の体と丁寧に向き合うことが大切です。もし不快な症状を感じたら、それは体からのサイン。正しい知識をもとに、焦らず、じっくりとケアをしていきましょう。

fuwariは、これからも変化の多い世代の女性たちに寄り添いながら、心と体にやさしい知識や情報を丁寧にお届けしてまいります。